香港”逃亡犯条例”デモに参加して感じたこと #01「香港人は強い」
香港に明るい未来をもたらすために
ここ最近香港の逃亡犯条例に関するニュースをよく見かけると思います。
逃亡犯条例とは、
中国・香港行政トップの林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官が成立を目指す、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする法案。
- 2019年6月12日 デモ隊が立法会周りを取り囲み、警察と衝突
- 2019年6月16日 歴史上最多の200万人が参加(主催者発表)
私は上記2つのデモに参加をしてきました。
それは市民が香港政府や中央政府のやり方に積もり積もった不満があるからです。
また過去のデモがことごとく失敗に終わっているのも挙げられます。
2014年雨傘革命時は約二ヶ月に渡り若者たちが街頭を占拠。
基本的には非暴力でデモを続け、結果的に成果なし。
香港人の心中は、「これでもダメか……」「もっと他の手を考えられなければ……」
かなりの失望感を覚えたはずです。
その苦い経験が今回の超大規模デモでもにつながったのだと思います。
香港の未来がかかった正念場!
「絶対に負けられない戦いが、ここにはある」です。
参加した時の状況
6月12日の様子
立法会の周りを占拠
警察とのにらみ合いが続いていたが、この約2時間後に衝突開始。
物資提供所が設けられ、傘・マスク・ゴーグル・水等が無償提供
- 撤回!(廃案)
- 下台!(行政長官辞職)
- 香港加油!(香港頑張れ)
などの声が飛び交う
一時は立法会敷地内へ侵入に成功したものの、大量の催涙弾や発砲により、前線が下がる
夜には立法会から200mほどまで退避
橋の上にいる警察と睨み合うデモ隊
5分に1回ほど催涙弾が投げられ、目が痛み、異臭が漂う。
警察車両が近づけないように、一般市民が自身の車両で道路を塞ぐ
周りからは拍手喝采が
6月16日の様子
歩道橋の上から撮影。この列が6時間以上続いたようです。
- 花やスローガンを記した紙を無料配布する人
- 行政長官キャリーラムの母校の人たちは、横断幕を持って「母校の恥」と抗議
- 前日に身を犠牲にして(自殺)抗議した者への追悼
- 「撤回」や「辞職」、「警察の武器使用に抗議」と声を合わせ叫ぶ者
- 警察官の目の前に行き、暴言を吐く者
各人がそれぞれの意志で参加しているのが強く伝わりました。
デモに参加した感想
香港人は香港の将来について、自分で考え、自分で意思決定をし、自分の声で抗議する。
とても強い市民だと感じました。
日本ではデモに参加する機会が少ないだけでなく、
政治問題について友達と語り合うこともあまりないと思います。
しかし香港では最近は毎日のようにこの問題について話し合います。
私も会社内で何度も、
- 「この問題についてどう思う?」
- 「明日のデモは参加する?」
- 「昨日の警察の言動についてはどう思う?」
と問われ、自分の言葉で自分の意見を表現する大切さと難しさを学びました。
中国返還から20年強、約束された50年間の一国二制度の半分も過ぎていませんが、
既に着実に中国化が進んでいます。
それを実際目で見て、肌で感じ取っている香港人にとって、
自由や故郷を奪われる危機感から起きた行動です。
私が2016年に一目惚れした香港、
その香港が無くなってしまわぬよう、
自分の意見を積極的に発して行きたい。